新型コロナウイルス感染拡大に対する県への緊急要請

 

助成金制度活用せずして雇用が奪われるなど言語道断

 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、連合青森は4月9日(木)、県に対し労働者の雇用や安心・安定した生活の確保を求め緊急要請を行った。
 この日の要請には、連合青森から内村隆志会長、山内裕幸事務局長、関竜一副事務局長が出席し、三村申吾知事に要請書を手渡した。 

 要請内容は①事業主に対して各種助成金を周知し、雇用維持を確保する。②不当な雇止めや内定取り消しは無効となることを周知徹底する。など、6項目にわたった。

 内村会長は「新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動に急ブレーキが掛かってしまった。中小企業はとても体力が弱く、今後倒産による解雇問題の深刻化が懸念される」と強調した上で、「早め早めでの対応をお願いする」と訴えた。また「煩雑な手続きを嫌い、雇用調整助成金などを活用しない企業もあると聞く。活用せずして雇用が奪われるなど言語道断であり、企業への周知・指導を強化するとともに、地方からも更なる対策強化の声を国にあげてほしい」と要望した。
 これに対し三村知事は「中小企業が事業活動を継続し雇用や生活が維持できるよう、関係機関と連携し全庁挙げて取り組んでいく」と回答した。

 要請内容は以下の通り。

1.雇用維持の支援
雇用調整助成金や労働保険料納付猶予措置を含む各種助成金の活用を行わないまま、解雇が行われることが無いよう、事業主に対して制度の活用に向けた周知を図ること。

 

2.需要急減の影響を受けた産業を中心とした支援
事態の収束を見据えつつ、旅行、宿泊、交通、飲食等の、外出やイベント自粛で影響を大きく受けた産業を中心とした消費喚起策を展望すること。

 

3.雇止め・内定取り消しの防止
雇止めや内定取り消し(中途採用者・転職者含む)が安易に行われることのないよう、不当な雇止めや内定取り決しは無効となることなどを、企業等はもとより労働者や学生・学校にも周知徹底すること。

 

4. 感染拡大防止対策の強化
〇新型コロナウイルス感染症の疑似症患者の一般外来と、帰国者・接触者外来への確実・円滑な連携を行うこと。
〇医療機関の診療継続のための衛生資材(マスク・防護服・消毒薬等)の確実な供給を行うこと。

 

5.安全衛生対策の強化
暮らしを支えるインフラ事業で働く労働者の感染防止および事業場での蔓延防止の観点から、マスクや消毒薬などの優先購入や非常時のバックアップ体制に対する支援を強化すること。

 

6.感染症拡大に伴うハラスメント等の防止
新型コロナウイルスに感染した、あるいは感染が疑われる労働者に限らず、その同僚等に対するハラスメントや嫌がらせが現に起きている実態に鑑み、本年6月施行予定のパワー・ハラスメントに関する雇用管理上の措置について、事業主等に対して前倒しでの対応を促すこと。