2024年労使交渉懇談会

 

『人への投資』『生産性向上』の必要性は一致

 

 連合青森は3月12日(火)、青森市のホテル青森で県経営者協会と「2024年労使交渉懇談会」を開催し、「賃上げ」や「雇用形態間格差の是正」、「男女間格差の是正」、「すべての労働者の立場に立った働き方の見直し」等について意見交換した。

 この懇談会は、1月30日に連合青森が県経営者協会に提出した「2024年春季労使交渉に関する申入れ」に対する県経営者協会の見解説明、今後の県内地場組合の労使交渉の環境整備に向けて毎年行われている。

 連合青森塩谷進会長は「今春闘は、人への投資に向けた賃上げを行い、個人消費の低迷に歯止めをかけ、県内経済を活性化につなげなくてはいけない」と強調。「事業継続と雇用最優先とするのであれば、労働不足の中で労働者に対する『人への投資』としての賃上げを行い、生産性向上とモチベーションの維持・向上力を高め、事業の発展、さらにはサプライチェーン全体で経済の好循環につなげていくべき。社会的責任への良識ある決断を」と理解を求めた。
 県経営者協会七尾嘉信会長は、2050年には県内人口が約4割減少し、生産年齢人口は半減することに触れ、「県内企業の多くは経営・財政基盤の脆弱な中小企業。事業継続と雇用維持の観点から、適切な総額人件費管理の下、自社の支払い能力を踏まえ、労働組合と協議を重ね、事業活動で得られた収益の中から働き手の方々に適切に分配していくことが望まれる」と回答し、具体的上げ幅についての言及はなかったものの、賃上げの必要性は一致した。

 続いて意見交換に入り、①物価上昇時における実質賃金のあり方/労務費の適切な価格転嫁への対応、②格差是正、③2024年労働時間の上限規制の3項目について連合青森の考えを述べた上で経営者側の見解を求めた。

 最後に「人財確保・育成、新卒者・若年者の県内定着に向け働きやすい職場環境整備に努力する」などとした「人への投資と生産性の向上による雇用の維持と安定化宣言」を採択し調印した。