人口減少に負けない地域経済の実現を目指して!
青森県経営者協会と連合青森は7月23日(火)、昨年に引き続き『地域活性化フォーラム』を県労働福祉会館で開催し、経済界や労働団体、行政の関係者ら90名が参加した。
この取り組みは人口減少の一途をたどる本県において経済の活性化や人材確保・定着などの課題解決に向け幅広い団体で構築した「青森県笑顔と元気のプラットフォーム」によるもので、今回は「人口減少に負けない地域経済の実現を目指して!」をテーマに、基調報告とパネルディスカッションの2部構成で行われた。
基調講演では、21あおもり産業総合支援センター今喜典前理事長が「青森県の経済活性化に向けた中小企業の経営基盤強化と若年人材の確保・定着について」と題し講演。 |
今前理事長は「本県は農水産物に恵まれている。この地域資源を有効活用し、自社の技術と他社のアイディア・企画を融合するなど異業種と連携することで、加工食品やサプリメントなど新商品の開発や流通・販路拡大などが見込まれる。またこのように農商工連携6次産業化から中核企業へ成長させることで、若者定着、UIJターンの受け入れも期待できる」と企業事例を上げ語った。また若年者雇用については「給与面や特徴的手当、働き方など、若年者の意思決定要素の中で自社が最も有利に提供できるものは何か見極める必要があり、求人票など自社の強みを的確にアピールする工夫が必要」とも述べた。
第2部パネルディスカッションでは、青森公立大学経営経済学部大矢奈美教授がコーディネーターを務め、パネラーには今前理事長、青森労働局職業安定部稲垣篤史部長、青森県経済産業部山口郁彦次長、青森県経営者協会小山田康雄専務理事、連合青森塩谷進会長が登壇し進められた。 |
中小企業の経営基盤強化について、山口次長は「キーワードは販売の強化、新商品、新サービス、生産性の向上、これらを効果的に進めるためのDXの推進である。県においてはスタートアップ事業として県内8拠点で創業・起業への支援を行っている」と述べた。
小山田専務理事からは「県内企業の稼ぐ力は低く、中小企業比較で全国の7~8割程度、製造業は5割程度であり青森県企業が生き残っていくには生産性向上の取り組みが必須。人口減少やエネルギー価格の高止まり、物価高、賃上げ、DXなどの様々な経営環境変化に事業継続と事業継承のための支援や補助金が必要」との考えが述べられた。
また、若年人材の確保・定着について稲垣部長は「東北各県と比べ本県高卒者の7月新規求人提出率も9月就職内定率も低い状況にある。他県に人材を引っ張られる要因となっており、時期を早めることも必要ではないか」と現状を指摘した。
フォーラム最後、県経営者協会七尾嘉信会長は「30年後には本県人口は4割減、更に生産性人口は半減すると言われており、若者たちがこの厳しい実態に立ち向かわなければならない困難な時代がくる。県では来週、若者定着に向けた新たな協議会が立ち上がるが、決して行政だけに任せにするのではなく、事業継続には若者や地域の人の力や知恵が必要と考える。各々の立場で活性化にご尽力いただきたい」と締めくくった。