2019年労使交渉懇談会

 

 

 

自律的経済の好循環へ。経営者の社会的責任と良識ある決断を!

 

 連合青森は3月11日(月)13時30分より、青森市のホテル青森で「2019年労使交渉懇談会」を開催し、「賃上げ」や「人財の県外流出対策」、「長時間労働の是正」「雇用形態間格差の是正」等について意見交換した。
 この懇談会は、1月30日に連合青森が県経営者協会に提出した「2019年春季労使交渉に関する申入れ」の内容説明とこの申入れに対する県経営者協会の見解説明、今後の県内地場組合の労使交渉の環境整備に向けて毎年行われている。
 連合青森内村隆志会長は「超少子高齢化・人口減少問題に関連し、不可避的にもたらされる労働力不足の状況にあっても社会・経済を自律的かつ持続的に成長させるためには、多様な『人財』の活躍とそれを包摂する社会構築が不可欠」とし、賃上げについては「継続的な賃上げの流れができつつある今を維持し、自律的な経済の好循環を構築したい。経営者の社会的責任への良識ある決断をお願いしたい」と訴えた。また若者の県外流出について「青森の企業は経営が大変だから賃上げも労働時間短縮も難しいといったイメージが更に拡大するようであれば、ますます青森は若者に見捨てられることになる」と警鐘を鳴らした。
 これに対し、県経営者協会浜谷哲会長は人財の県外流出や人財確保問題について「今後の本県経済に大きな影響を及ぼしかねず、危機感を持つ。『長時間労働の是正』や『年次有給休暇取得義務化』など『働き方改革』こそ待ったなしの喫緊の課題」と共通の認識を示したものの、賃上げについては「本県企業はほとんどが内需型の中小企業であり、都市部や大企業のように景気回復を実感できる状況に至っていない」と述べ、賃上げに対する直接的な言及はされなかった。
 続いて意見交換に入り、月例賃金の引上げ要求に対し「所定内給与の引上げは即、法定福利費に跳ね返り、総額人件費は所定内賃金の1.7倍に膨らむといった留意しなければいけない点であり、自社の実情に応じ諸手当や一時金など多様な選択肢の中から検討する」と回答があった。また非正規労働者の働きやすい環境づくりへについて「賃上げも必要だろうが、正社員への登用制度や人材育成を進め、人財の定着化を図るよう労使で議論していく」と回答があった。
 最後に「ワーク・ライフ・バランスの実現と人財の県内定着に向け働きやすい職場環境を整備する」などとした「雇用安定と人財の育成・定着化宣言」を採択調印した。