『東日本大震災』から10年、振り返り、風化させず、次世代へとつなぐ
未曾有の災害で多くの方が犠牲になられた「東日本大震災」発災から今年で10年となる。 集いには組合員200名が参加し、冒頭、犠牲者の冥福を祈り黙とうを捧げることから始まった。 |
主催者あいさつに立った連合青森塩谷進会長は自らボランティア活動をした経緯に触れるとともに、「私たちはこの惨事を風化させることなく、いち早い復興を意識しながら、労働組合のスケールメリットを生かし社会的価値ある取り組みを継続していかなければいけない」と語り、その後、津波で甚大な被害を受けた地域の様子や連合青森が取り組んだボランティア活動等の記録DVDを視聴した。
次に八戸市において職場が被災した電力総連出身の組織内議員・高橋貴之八戸市議より「被災・復興した八戸市」と題し語っていただいた。
高橋議員はまず「絆という字は馬や犬などを繋ぎ止める綱から、人と人を離れがたくする結びつきを表すようになった」と絆という字の語源について語った。続いて八戸市の状況においては「被害総額は市の年間予算とほぼ同額の1,200億円、復興事業は現段階で365事業中227事業が完了している」と報告した後、「どの状況になれば復興したと言えるのか。線引きは非常に難しい」と疑問を投げかけた。「道路や建物が復興してもそこに居る人が元気を取り戻さなければ真の復興とは言えない。震災以降“絆”という言葉通り、寄り添い助け合って歩みを進めてきたが、このコロナ禍で三密回避・ソーシャルディスタンス・SNSでの誹謗中傷など、危機を乗り切った武器“絆”は封じこめられつつある。物理的につなぐ“絆”から心と心をつなぐ“絆”が今、最も重要ではないかと感じている」と強調した。