2022年労使交渉懇談会

 

人財確保のためにも『人への投資』に向けた『賃上げ』を!

 

 連合青森は3月10日(木)、青森市のホテル青森で県経営者協会と「2022年労使交渉懇談会」を開催し、「賃上げ」や「雇用形態間格差の是正」、「男女間格差の是正」「すべての労働者の立場に立った働き方の見直し」等について意見交換した。

 この懇談会は、1月28日に連合青森が県経営者協会に提出した「2022年春季労使交渉に関する申入れ」に対する県経営者協会の見解説明、今後の県内地場組合の労使交渉の環境整備に向けて毎年行われている。

 連合青森塩谷進会長は「人への投資に向けた賃上げを行うことが、先行きの不透明感を払拭し、個人消費の拡大や経済の安定化に繋がるということを共通の認識として持ち合いたい」と強調した。また労使共通課題である県内の労働力不足についても「賃上げと処遇改善による安心安定して働き続けられる環境づくりへ共に知恵を出し合い結果に繋げていかなければならない」と理解を求めた。
 県経営者協会七尾嘉信会長は「経営基盤の脆弱な中小企業の多い本県は、新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化により大きいな打撃を受けており、不透明感が継続している」と述べ、賃上げに対する直接的な言及はされなかった。また働き方改革への対応については、「厳しい状況下であっても労働生産性の向上を図り、働きがい・働きやすさを実感できる職場づくりや多様な働き方を実現していく」と述べ、労使の認識は一致した。

 続いて意見交換に入り、①賃上げと人財確保、②取引の適正化、③雇用形態間格差の是正の3項目について提起した。賃上げについて連合青森は「賃金水準の底上げによる地域間格差の是正と共に労働条件を引上げることは、優秀な人財の確保と県外流出へ歯止めをかけることに繋がり、経営者協会が求める生産性向上と収益確保に関し、最も有効な手段と捉えるべきではないか」と意見を求めた。これに対し県経営者協会からは「自社の存続と雇用維持を最優先とし、コロナ禍の厳しい経営環境を乗り越えなければならず、一律的な賃上げの検討ではなく、自社の支払能力を踏まえ労使協議を経た上で各企業において賃金を決定していく」と例年同様、前向きな回答は示されなかった。一方で人財確保や雇用形態間格差の是正、働き方の見直し等については認識が一致した。

最後に「ワーク・ライフ・バランスの実現と人財の育成、人財の県内定着に向け働きやすい職場環境を整備する」などとした「雇用の維持と安定化宣言」を採択し調印した。