2018年労使交渉懇談会

 

賃上げこそが人財確保・定着への最大の処方箋

 

 連合青森は3月9日(金)13時30分より、青森市のホテル青森で「2018年労使交渉懇談会」を開催し、「賃上げ」や「非正規労働者の労働条件改善」、「長時間労働の是正」「人財の県外流出対策」等について意見交換した。
 この懇談会は、1月30日に連合青森が県経営者協会に提出した「2018年春季労使交渉に関する申入れ」の内容説明とこの申入れに対する県経営者協会の見解説明、今後の県内地場組合の労使交渉の環境整備に向けて毎年行われている。
 連合青森内村隆志会長は、「超少子高齢化・人口減少社会により労働力不足の状況にあっても社会・経済を自律的・持続的に成長させるには多様な『人財』の活躍とそれを包摂する社会構築が不可欠」とし、賃上げについては「賃上げ分が物価上昇分に追いついていない状況にあり、景気の回復を感じられない。消費に直接インパクトを与えるのは月例給の引上げということを理解いただきたい」と強調した。また若者の県外流出について「働き甲斐や暮らしやすさの発信とあわせ、賃金を中心とした労働条件改善が、人財確保・定着への最大の処方箋となる」と訴えた。
 県経営者協会浜谷哲会長は、人財の県外流出への危機感や、長時間労働の是正、男女平等など労働環境改善には共通の認識を示したものの、賃上げについては「経営基盤の乏しい内需型の中小企業が大半を占める県内においては『自社の存続・発展』と『従業員雇用維持・確保』を最優先と考え、基本給の引上げや、賞与・一時金の増額、諸手当の見直しなど自社の収益に見合った方策を検討する」と経団連の経労委報告に基づく回答にとどまり、連合青森の要求との隔たりが浮き彫りとなった。
 続いて意見交換に入り、県外流出に歯止めをかける対応策として初任給の引上げを求めたのに対し、「初任給見直しは他の労働者の賃金も見直すこととなり、支払能力に限界がある」と回答があった。また、同一労働・同一賃金への取り組みについては「正規・非正規間に不合理が生じていないか再点検を図り、労使協議の上、見直しを図る」と回答があった。
 最後に「人財の県内定着やワーク・ライフ・バランスの実現にむけた働き方改革の推進」などに取り組むとした「雇用安定と人財の育成・定着化宣言」を採択調印した。