2020年労使交渉懇談会

 

 

「地域の持続可能性を高める取り組み」の強化を求める

 

 連合青森は3月10日(火)13時30分より、青森市のホテル青森で県経営者協会と「2020年労使交渉懇談会」を開催し、「賃上げ」や「雇用形態間格差の是正」、「男女間格差の是正」「人財の県外流出対策」等について意見交換した。
 この懇談会は、1月30日に連合青森が県経営者協会に提出した「2020年春季労使交渉に関する申入れ」の内容説明とこの申入れに対する県経営者協会の見解説明、今後の県内地場組合の労使交渉の環境整備に向けて毎年行われている。

 連合青森内村隆志会長は「中小企業の多い本県においては賃金引上げ原資を生み出す取引の適正化が不可欠」とし、「労使が主体的に地域の持続可能性を高める取り組みを強化しなくてはならない」と理解を求めた。また賃上げについて「連合青森集計では6年連続賃上げが続いているのに地域経済が好転したという実感がない。これは圧倒的多数の労働者に賃上げのうねりが届いていない証拠。すべての労働者の処遇が改善されなければ地域経済の好循環は生まれないということを共通認識としていただきたい」と強調した。

 

 これに対し、県経営者協会七尾嘉信会長は「会員企業アンケート調査で多くの業種で景況感はマイナス、先行きも悪化する見通しとなった」と述べ、「本県企業はほとんどが内需型の中小企業であり、都市部や大企業のように景気回復を実感できる状況に至っていない」と賃上げに対する直接的な言及はされなかった。また働き方改革への対応については「働き方改革を深化させ、働きがいとやりがいを感じられる環境づくりが経営者側の役割」と共通の認識を示した。

 

 続いて意見交換に入り、賃金の引き上げについて連合青森塩谷進副会長は「賃上げ、労働条件の引き上げが働く者の将来不安を払拭すると共に経済の自立的成長、社会の持続性につながると認識する。事業を支える最大の源泉は人であり、人への投資こそが生産性向上と企業収益確保に導くと考える。貴協会の賃上げによる底上げ・底支えの考え方について教えてほしい」と意見を求めた。これに対し県経営者協会からは「各社の支払い能力に応じる」と例年同様、前向きな回答は得られなかった。また人財確保に向けた取り組みとして「年次有給休暇の取得促進、時間外労働の削減、定年退職者の雇用継続、定年延長などを強化し、多様な人財が個々の能力を最大限発揮できる環境の整備に最大限取り組む」と示した。
 最後に「ワーク・ライフ・バランスの実現と人財の県内定着に向け働きやすい職場環境を整備する」などとした「雇用安定と人財の育成・定着化宣言」を採択調印した。